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大杉谷
【おおすぎだに】


白山釈迦岳の北西に水源をもち,ほぼ西流する牛首川支谷。途中ナナコバ山(標高1,504.1m)から発するナナコバ谷,砂御前山(標高1,326m)から南流する北俣谷を合わせて牛首川に合流する。付近に天狗壁があり,砂岩・礫岩・頁岩の互層となっており,上流約5kmには礫岩の絶壁よりなる落差約50mの大滝がある。中流右岸の中腹は苛原(いらばら)と呼ばれ,かつては出作小屋が多く,盛時は年間を通じて定住するものもあったが,昭和36年の北美濃地震を境に減少し,現在は閉村。ここにあった河内谷(こうちだん)分校も閉校,現在は金沢工業大学山岳部の合宿所となっている。典型的な出作小屋だった藤部(とうぶ)家は民俗資料として白峰(しらみね)村教育委員会が管理する。天正8年の「蓮如物語」に,蓮如の舎弟蓮照応玄が遁世の身となり,大蓮寺の案内で大椙谷に入御したとの記録がある(郷土辞彙)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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