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大野川
【おおのがわ】


河北(かほく)潟に発し,南西の金沢市大野町で日本海に注ぐ川。2級河川。流長4.47km。湖脚の右岸河北郡内灘(うちなだ)町と左岸金沢市須崎町を結ぶ機具(はたぐ)橋から大野町河口まで。中世は「粟(あわさき)川」といわれ,古来,水路の屈曲がはなはだしく氾濫が多かったため,安政3年現在の河道を開き,新川(あらかわ)と称された。「郷土辞彙」に「屈曲点から西南に溝渠を通ずること二粁余にして古川と犀川に通ぜしめ……古への大野部落は大野川の右岸に在って,その河口は大野湊と称し……」とあり,かつては金石(かないわ)で犀川(さいがわ)と合流していた。河口の大野港は,古くから栄えた泊地で河北潟の水面が下がると海水が逆流するため機具橋の上流に防潮水門が設けられた。昭和29年7月大野港と南の金石港が合併して金沢港となり,同39年4月重要港湾に指定,右岸の五郎島町との間に掘込港が建設された。河北潟干拓とともに,従来の大野川両岸の掘込みが拡大され,左岸には金沢港湾事務所をはじめ,水産埠頭・石油基地・金沢みなと会館などの建設,工業用地の造成がなされた。さらにフェリー埠頭が建設中。河北潟干拓で内灘砂丘を横切る新放水路がつくられたため,機具橋と上流,防潮堤水門の間に新しく輸入材の貯木場が造られた。河口は古来,海軍の基地や漁港として知られたが,昭和45年11月関税法による開港指定以来,物資流通拠点港としての金沢港の一部となり大きく変化している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7086063