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久江川
【くえがわ】


鹿島郡鹿島町南寄り久江(くえ)の山地から流出,長曽(ながそ)川に合流する川。2級河川羽咋(はくい)川の小支川。流長5.5km。久江の大原谷・屋敷谷などを源流とし,上流は阿修羅谷の奥に桃ケ滝があり,桃瀬川とも称する。羽咋(はくい)市金丸出で長曽川に合す。久江の地名は,崩壊の意(郷土辞彙)。羽咋市下曽禰で地獄谷川が注ぐ。県境分水嶺付近は上から砂岩層,泥岩層,砂岩層,砂岩・礫岩層の順に分布。うち,久江原山分の泥岩層地域はやや緩傾斜で集落があったが,地盤が軟弱で,古来しばしば地滑りを起こし,北木原・中原・大原のうち,特に北木原が危険地域。明治7~8年頃の鉢伏山の地滑り,同32年11月から翌年にかけての30mに及ぶ移動,同34年1月の耕作不能なほどの激変,同37年3月から5月にかけての山林・田畑の崩壊・陥落などがある(郷土辞彙・鹿島郡誌)。明治37年4月の地滑りで桃瀬川がせきとめられ,泥水が氾濫,下流邑知(おうち)潟に約1haもの州崎を形成。当時9戸の北木原が大正末期には消失,保安林とされた。明治45年5月から県による砂防工事が始まり,大正4年竣工。現在,原山分には戸数1。流域には山菜などが豊富。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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