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九里川尻湾
【くりかわしりわん】


九ノ里川尻(くのりかわしり)湾・川尻湾ともいう(海図)。珠洲(すず)郡内浦町東端にある湾入。立壁(たてかべ)地内の城ケ崎と比那(びな)地内の玄田(げんだ)崎にはさまれた内海をいうが,城ケ崎から鹿泊(しどまる)地内の赤崎までの海域をさす場合もある。湾口約500m・奥行約1km,最大水深は湾口中心部で約7m。底質は流入する九里川尻川の堆積による泥土や砂からなる。流紋岩や凝灰岩類からなる海岸段丘が湾の両岸に迫り,海食崖や岩石海岸がみられる。かつて沿岸漁業が盛んであったが衰退し,わずかにカキの養殖が行われているにすぎない。湾内干拓への要望は文政期からあったが(千野家古文書),明治中期の一部着工は失敗。昭和24年に国営事業として着工,同38年6月12haの干拓地が完成,同40年水田となったが,塩害と減反政策のため,同46年以後休耕。昭和48年県農業開発公社に売却,同53年内浦町が買い戻し,5か年計画で九里川尻湾総合開発事業として,総合運動公園の造成がほぼ完了,野球場・陸上競技場・体育館・相撲場・プールなどが建設され,奥能登最大の総合運動公園。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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