琴ケ浜
【ことがはま】

泣き砂の浜ともいう。鳳至(ふげし)郡門前町南西岸の砂浜。剣地(つるぎじ)地内の仁岸(にぎし)川河口から奴穴に至る砂浜海岸。長さ約700m・幅約40m。直径約0.5mmの石英・長石類からなる砂で，乾いた所をすり足で歩くと，キュッキュッという摩擦音を発する（県大百科）。地名もこれに由来するといわれ，これにちなむおさよ・重蔵の伝説がある（鳳至郡誌）。最近仁岸川沿いの土砂砕石のため，構成粒子に変化が生じ摩擦音が弱まった。奴穴は幅約４ｍ・高さ約３ｍ・奥行約６ｍの洞穴で，周辺には輝石安山岩の柱状節理が発達する。海水浴客を中心に観光客が多い。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7087124