100辞書・辞典一括検索

JLogos

2

長曽川
【ながそがわ】


長沢川とも書き(郷土辞彙),古くは下流まで濁(にごり)川とも能登川とも称した。石動山西麓から邑知(おうち)地溝帯を南西流,邑知潟に至る2級河川羽咋(はくい)川の支川。流長10.25km。鹿島郡鹿島町芹川原山分の蛇ケ池を水源とする濁川が,芹川の濁澄川(にごりずみがわ)橋を通過する地点から邑知潟までをいう。邑知潟を過ぎると羽咋(はくい)川となり,羽咋市街北辺で日本海に注ぐ。川名は鹿島町曽根に奈鹿曽彦(なかそひこ)神社,羽咋市下曽根に奈鹿曽姫神社があることに由来する。上流の濁川の源流,蛇ケ池(大池ともいう)には,一晩に池ができたという伝承があり,氾濫が多く,上流山間部に砂防堰堤を設け,平野部は典型的な天井川。石動山麓,鹿島町芹川の扇頂部は二宮川より高く,国道159号(七尾街道)は急坂を伴う。上流部の濁川・久江(くえ)川上流の山間部は地滑り地帯で,明治37年4月末には,下流の邑知潟河口に1ha余の州崎を形成,5月初旬になって止んだ(鹿島郡誌)。現在も平野部で流路拡幅および改良工事中。中流部から下流にかけてフナ・ワカサギなどが多く,羽咋川の防潮水門完成(昭和4年)以前はサケやマスも多く溯上した。また,ワカサギ漁について延享2年に下流の2村間で争論があった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7088669