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中ノ川
【なかのがわ】


白山大汝(おおなんじ)峰(標高2,684m)を源流とする仙人谷・地獄谷が合流して中ノ川となり,丸石谷・蛇谷(じやたに)と通称三ツ又で合流し尾添(おぞう)川となる。1級河川。流長3.6km。濃飛流紋岩の分布地で,特に下刻作用が激しく深い峡谷を形成する。途中,薬師山(標高2,023m)を源とする湯の谷と合流するが,この上流約800mの左岸には岩間の墳泉塔群があり,塔状の石灰華より97.5°Cの温泉を噴出する。昭和32年に国の特別天然記念物に指定。中ノ川・湯の谷の湧泉は引湯によって新岩間温泉や一里野温泉に利用されている。白山登山道の岩間新道と噴泉塔見学のための探勝道路のほかには,人為的構造物がなく,山地斜面は広葉樹林におおわれ,すぐれた峡谷美を残す。湯の谷には合流点付近に霞(かすみ)滝がみられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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