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西二又川
【にしふたまたがわ】


輪島市の西南端を北流して日本海に注ぐ。2級河川。流長2.3km。西保(にしほ)山地の最高峰佐比野(さびや)山(標高387.8m)に源を発し,上山(かみやま)町の山間盆地を貫流,鳳至(ふげし)郡門前町濁池(にごりいけ)町境を流下する小町川を合わせ,河口の上大沢町では谷幅を100mに広げて日本海に注ぐ。川名の由来は「西保村史」に「芹池より流れる川と男女滝(なめだき)川の合流するところから出たのであろうか。大屋二俣に対して,西二又と名付けたものであろうか」とある。滝の所在から男女滝川ともいう。滝は本流にかかる女滝と,支流にかかる男滝からなり,合流点は傾斜した一大岩盤上に数十個の甌穴を作る。高さ約60mの間,淵・滝を交互に数十回繰り返し,最深所を夫婦(みようと)淵という。川西側の急斜面は刑部(ぎようぶ)岬の断崖から高まって続く猿山山地の東縁にあたり,約300mの高度で門前町との境をなし,ここに中野から門前町皆月(みなづき)に通ずる久佐木峠(標高271m)があり,主要地方道輪島浦上線はその崖下を走る。上山町・西二又町には第三紀頃に地中に埋没をした樹幹が珪酸で置き換えられ,本来の木の組織を残している珪化木が多くみられる。西保地区の珪化木は昭和39年市文化財となった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7088906