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鳳至川
【ふげしがわ】


輪島市の南西端,空熊(そらくま)町の三角点(標高255m,鳳至郡誌に望野知山とある)に源を発し,吠木(ほえぎ)川・別所川・菅野川・黒川・貴廟(きびよう)川・房田川・山本川・稲屋(とうや)川の各支流を合わせて,二ツ屋町で河原田川と合流,輪島川となって鳳至町と河井町との境を流れ日本海に注ぐ。2級河川河原田川の支川。流長17.14km・流域面積46km(^2)。「鳳至郡誌」に「旧名長井川という。上流を黒川と称す」,「郷土辞彙」には「一に鳳至谷(ふげしだに)川という」とある。流域は鳳至谷と称し,中新世中期の西保(にしほ)砂岩泥岩層(縄又互層)と穴水累層の石英安山岩質火砕岩・玄武岩によって占められ,東側の河原田平地とは気勝(けかち)山塊によって隔たれ,西側は佐比野(さびや)山(標高387.8m)・三蛇(さんじや)山(標高372m)・輪島崎に至る線で限られる。この谷には鳳至郡門前(もんぜん)町に至る国道249号が,途中の二俣町からは門前町平(たいら)へ抜ける県道二俣川二俣線が走る。別所谷町の標高300mの天堂山には,中世後期の有力国人で能登守護畠山氏の重臣となった温井俊宗の居城天堂城址があり,昭和32年市指定の史跡となる。国道249号沿いの縄又(なわまた)町には地滑り地形が発達,昭和42年に県治山事業所が設置され,治山に必要な調査・試験が行われ,同54年には県治山センターと改称された。ここは縄又茶の産地でもある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7089444