蓬莱島
【ほうらいじま】

蓬来島とも書き，鶴下り島ともいわれ，「宝永元年一覧記」には鶴打島，「地理志稿」には鶴落島とある。珠洲(すず)郡南岸，内浦町の九十九(つくも)湾の中ほどにある周囲約200m・標高16mの小島。「能登名跡志」に「形は蓬莱の台のごとし」と，また，「能登志徴」には「誠に仙境ともいひつべき島山にて，昔鶴下りて石と成しとて，鶴の形なる石，島の腰にあるが故に名とすなど，俗にいひ伝ふといへり」ともある。主に凝灰岩類からなり，南方に広く海食台が発達する。スダジイ・ヤブニッケイ・シロダモ・シャシャンボ・ムベなど，暖地性植物を中心に約50余種が知られ，周辺とは違った林相を呈する。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7089610