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増穂浦
【ますほがうら】


富来(とぎ)川河口から北の酒見(さかみ)川河口に至る砂浜。延長約4km。加賀海岸より始まる一大弓形海岸の末端に当たり,緩いカーブを描きながら北西に大きく張り出す。海岸には貝殻が無数に打ちあげられ,なかでもサクラ貝・ニシキ貝・ワスレ貝・マクラ貝など,三十六歌仙貝を産し,元禄期より紀伊の和歌浦,鎌倉の由比浜と並ぶ日本三名所の1つ。貝殻採集と歌を習う風習は全国でも富来地方に残るのみといわれ,明治以来宮中の慶事に当地より,この貝を献上する習わしとなっている。また,この沿岸では古くから塩田や地引網漁業が盛んであったが,現在はキャンプ場・海水浴場として能登有数の観光地。近年,沿岸の浸食が激しく,テトラポッドに覆われ,往年の面影が失われつつある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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