100辞書・辞典一括検索

JLogos

8

湯の谷川
【ゆのたにがわ】


白山大汝(おおなんじ)峰(標高2,684m)・御前(ごぜん)峰(標高2,702m)を水源とする手取(てどり)川最上流の支川。1級河川。流長3.5km。大汝峰西方から白山釈迦岳の東を南流し,御前峰から流れる千才谷,白山釈迦岳から流れる丸岡谷を合わせて南西流,市の瀬の北で牛首川に合流する。水源は白山火山噴出物が堆積するが,谷の両岸には中生代白亜紀の砂岩・頁岩が互層をなして絶壁を形成。風化が激しく崩壊を防ぐ砂防堰堤が連続的に建設されたが,土砂の流出で大半が埋没した。昭和9年の大洪水では六万山付近の崩壊で白山温泉が埋没するなど被害が大きかった。流域の谷間では各所で温泉が湧出し,河川名の由来となった。白山釈迦岳南方の流域で,昭和25年小林貞一によって珪化木が発見され,国の天然記念物に指定。白山登山道釈迦新道はこの谷を通り,大規模なブナ原生林で知られる。千才谷には千仭ガ滝(せんじんがたき)がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7090327