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嫁礁
【よめぐり】


能登半島北方の海中にある岩礁。禄剛(ろつこう)崎より北西に19km,木浦海岸より16kmの地点(北緯37°39′56″・東経137°12′24″)にある(県大百科)。最浅部がわずかに海面上に出て(+0.8m),輝石安山岩からなる。「能登名跡志」に「比沖三里に磁石島あり。鉄を吸とて船一里四方堅く不寄,ひくき島にて磯見えかぬる也」とある。水深20m地域は,南北約200m・東西約100mに広がる。「珠洲郡史」に「往昔一婦人あり,その夫が鯖釣の夜業をなすを慕ひ,強ひて同乗を望むこと屡々なりき,夫は……女人の行くべき所にあらずといひて拒みしに,妻は夫の他に愛するものあるならんと猜疑し,一夜夫に忍びて舟中に隠れたり,夫之を知らず,礁に漕ぎ出て,……舟中より妻の出たれば,誤りて怪物と思ひ,出刃庖刀を以て之を刺殺し,急ぎ家に帰ればその妻は已に在らず,是に於て精神錯乱し,又先きの沖に出で,水に投じて死せり,今その所を嫁礁といふといへり」とある。能登半島沖での有名な漁場の1つで,タイ・ブリ・イシダイ・メバル・サザエ・アワビの漁獲が多く,漁業権は珠洲(すず)市高屋町・輪島市海士(あま)町の漁民がもつ。昭和38年8月嫁礁灯標を設立。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7090436