板垣坂
【いたがきざか】

今立郡今立町南坂下から標高約420mの板垣峠を越えて池田町板垣に至る約５kmの坂道。池田と武生(たけふ)・鯖江を結ぶ。古い道は南坂下と峠をほぼ直線状に結んでいた。永仁５年，鯖江の真宗本山誠照寺の如覚上人が美濃布教の帰りに通っている。また朝倉氏や一向一揆攻略のため織田信長の部将原彦次郎などが通ったという。峠から西に向かう鞍谷道は武生への近道である。明治30年に板垣道が大改修され車道が通じた。この道は大谷山の東の緩傾斜地を登っている。さらに新しい道は昭和10年に完成した127mの鳥越隧道と昭和11年完成した345mの板垣隧道を通る。この道は昭和56年に国道417号となり，新道や新トンネルが建設された。峠付近にはもと曹洞宗の開源寺があった。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7090936