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色ケ浜
【いろがはま】


色の浜ともいい,種ノ浜とも記す。敦賀市の北西部,敦賀湾の西に臨む海浜。地名はすおう色のマスホ貝を産することによるという。当地は中古以来の歌枕で,特に西行法師の「汐そむる真蘇枋の小貝拾ふとて色の浜とはいふにやあるらむ」(山家集)は有名。また,当地の名が与える詩的イメ-ジとして寂念法師の「山おろしに紅葉ちりしく色の浜冬はこしぢのとまり寂しな」があげられる(夫木抄)。「奥の細道」の旅の途中,松尾芭蕉も西行に倣いマスホ貝を拾おうと敦賀から船で渡り,法花寺(現法隆寺)に泊まって,「寂しさや須磨にかちたる浜の秋」「浪の間や小貝にまじる萩の塵」などの発句を詠んでいる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7091088