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鎌倉川ノ淵
【かまくらがわのふち】


倉ケ淵ともいう。大野市牛ケ原(うしがはら)を流れる赤根(あかね)川にあったという淵。淵名の由来は不詳。「太平記」巻11に元弘の頃,淡河右京亮時治が牛ケ原城に拠ったが,平泉寺の衆徒に敗れて一族滅亡。この時妻子が唐櫃に入って淵に身を沈めたという。右京亮も馬に乗って淵に入り,馬の鞍が沈んで淵の主になったという伝説から,倉ケ淵とも呼ばれるようになった。「南越温故集」に「大野ヨリ二十丁計北ニ鎌倉ケ淵ト云所有リ,今ハ倉ケ淵ト云」と記され,大野市西市町付近の山際と伝える。西市町には淵の主に頼むと金の膳が浮かび上がるという伝説も残るが,今は全く跡を残さない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7091852