100辞書・辞典一括検索

JLogos

14

厨洞穴
【くりやどうけつ】


丹生郡越前町茂原に所在。第4紀に隆起した撓(とう)曲崖と呼ばれる急峻な断崖に形成された海食洞に立地。間口2m,奥行16.7m,幅3.5m,高さ3m余を測り,汀線まで50m,水面との比高8mである。遺跡は斎藤優の試掘調査によって確認され,昭和42~44年にかけて越前町教育委員会,南越文化研究会が主体となり小出義治の指導のもと学術調査実施。弥生時代終末から古墳時代初頭,古墳時代後期,平安時代の土師器・須恵器が出土。また埋葬されたとみられる伸展の男性骨と女性の人骨が検出され,女性の肋骨の間から碧玉製管玉,竪琴に似た形状をなす滑石製の垂飾品が確認されている。他には銅鏃,銑鏃,貝製腕輪が出土。特に滑石製の垂飾品は琴柱形石製品の一種とみられ全国でも数例しか出土例がない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7092357