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谷峠
【たにとうげ】


杉峠とも,また瓜割峠ともいう。勝山市北谷町谷と石川県白峰村白峰(牛首)を結ぶ牛首道の県境にある峠。標高約910m。峠名は峠下の集落谷によるか。杉峠は峠の大杉により,瓜割峠は峠の水のあまりの冷たさに浸した瓜が割れたからという。中世末期,加賀の一向一揆の侵入路となり,しばしば戦場となる。近世以降白山禅定道として利用され,池大雅が宝暦10年峠越えをしている。白峰から生糸・繭・牛首紬・木鋤などの木製品が勝山へ運ばれ,勝山からは米・酒・塩などの食料品が白峰へ運ばれた。大正9年勝山~白峰間が県道14号に指定され,昭和5年に谷から白峰までの道路改修が計画された。同15年北西約600mに谷隧道の工事に着手し,同24年竣工した。それ以後は登山者が時々訪れるのみとなった。なお,この峠にも木ノ芽峠と同じ言奈地蔵の伝説がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7093644