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温見峠
【ぬくみとうげ】


大野市南部の岐阜県境,能郷(のうご)白山の北の鞍部にある峠。標高約1,050m。大野市西谷地区温見から岐阜県根尾村へ美濃街道,国道157号が越える。峠名は峠下の温見によるか。温見断層が県境尾根を刻み,北西流する温見川,南東流する根尾西谷川とも断層沿いに谷を通じる。古来越前・美濃間の主要通路であり,南北朝期に脇屋義助らが越えた。戦国期には朝倉氏がここから美濃に攻め入り,柵を構えたと伝える。近世にも松平秀康が関を設けており,また,鯖江市誠照寺の門主の美濃檀家廻りの巡回路にあたっていた。明治以降,峠を越える人は次第に絶え,廃道となっていたが,国道の改修で自動車を通じるようになって回復をみせる。ただ,豪雨・積雪で通行止めも多く,峠下の温見・大河原も廃村となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7094365