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蠅帽子峠
【はえぼしとうげ】


はえぼうし,はいぼ(う)しともいい,這法師・拝星・拝保志とも記す。岐阜県側では灰ホウジ・這越とも呼んだ。大野市西谷地区の南部,岐阜県境にある峠。標高約960m。秋生(あきう)から根尾村大河原へ険路を通じる。峠名は夏蠅多く,帽子をかぶって通った故と「名蹟考」は記し,一説には美濃布教の途中,鯖江の誠照寺本山の門主が急坂を這い登ったからという。南北朝期脇屋義助が往来し,近世初め結城秀康が関を置くなど,かつては越前・美濃間の交通路としてよく利用された。幕末武田耕雲斎の率いた天狗党も雪中を越前へ越えている。笹生(さそう)川貯水池に注ぐ蠅帽子川をさかのぼって峠に達することができるが,現在は廃道となり,峠下の秋生・大河原ともに廃村である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7094443