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若宮ケ淵
【わかみやがふち】


児が淵(ちごがふち)ともいう。足羽(あすわ)郡美山町福島の西方,足羽川の屈曲部にある淵。「古今類聚越前国誌」によると元亀4年8月朝倉氏敗亡の時,家臣の築山清衛門は妻子とともにこの淵に沈んだが,子供の容貌がきれいで,これが世に知られ,児が淵という名が付いたという。「名蹟考」には朝倉家の若子を沈めたので若宮淵といい,その霊を祀る千寿権現が淵の上にあると記す。また福井の殿様が淵に住む主を退治しようとして石火矢を打ち込んだところ,天がにわかに曇り,大風雨になり,大蛇が現れ,殿様や侍を苦しめたが,市波(いちなみ)の本向寺の僧が七条衣で殿様の身を覆い助けたという伝説もある。このほかにも伝説の多い淵である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7095794