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浅川
【あさかわ】


御坂(みさか)山地鳥居峠(1,106m)などに源流をもつ。笛吹川の支流。流長11km。1級河川。古くは長江川と呼んでいたが,その後河床が高くなり,水が少なくなったので浅川と呼ぶようになったという(東八代郡誌)。石英閃緑岩地域を流れ,奈良原を経て門林に至り,門林を扇頂とする扇状地を形成している。北は天川が縫合線となって金川扇状地に複合し,川は扇状地の南縁を流下して笛吹川と合流している。この扇状地は時代を異にする2段の扇状地からなる。すなわち小山城址から法城寺,森ノ上・岡を先端とする扇状地面は古期のもので一段と高く,前面は急斜面である。その西が低位の扇状地で緩やかに傾斜して広がり,笛吹川氾濫原に接する。東八代(ひがしやつしろ)郡八代町の大部分はこれら扇状地上に立地し,扇頂と笛吹川沿岸には水田が発達し,扇央は桑園が多く養蚕地帯であったが,最近は果樹園化してモモ・ブドウなどの生産地となっている。国中から駿河に向かう古道若彦路は当河川をさかのぼって鳥坂峠を越え,芦川の谷に出て大石峠を越え富士北麓に出,駿河に至る道であった。「国志」に「浅川 又朝川ニ作ル」とある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7095884