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雨畑川
【あめはたがわ】


県の南部,南アルプスの南部と巨摩(こま)山地の南,身延山地の間を北流して早川に注ぐ河川。早川の支流。全長16.35km。南アルプスの青笹(あおざさ)山(2,208.9m)と山伏(やまぶせ)岳(2,013.7m)の東北斜面から北流し,長畑(ながはた)地内で遠沢,稲又で稲又山(2,450.3m)からの稲又谷川,布引(ぬのびき)山(2,583.7m)・笊ケ岳(2,629m)からの奥沢谷川(雨畑湖へ流入),稲又先で八紘嶺(はつこうれい)(1,918m)からの御馬谷川,雨畑地内で雨畑湖を設け,南巨摩郡早川町大島で早川に注ぐ。古生層や中生層の岩の裂目や断層に沿って谷が発達し,馬場・細野付近では穿入蛇行が,雨畑には段丘が発達する。県道雨畑大島線は雨畑林道(井川雨畑林道,全長47km)に通じ,雨畑川を遡行して,稲又・室草里・長畑から大笹峠近くを越えて大井川上流の小河内に通じる。川筋は甲州金山の1つ,雨畑金山の地で,川床から砂金が出たこともある。中流の雨畑湖は日本軽金属の発電用が主の多目的ダムで,角瀬に発電所(1万3,000kw)がある。稲又山および雨畑付近は硯石の原石(緻密な粘板岩)を産し,吾邦端硯の銘硯で雨畑硯・雨端硯の名が付けられている。付近は高温多雨で,林木の生育がよく,江戸本丸普請にこの地の材木が使用された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7095967