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禹の瀬
【うのせ】


甲府盆地の南部,富士川の流域で,南巨摩(みなみこま)郡鰍沢(かじかざわ)町地内の大木台地と巨摩(こま)山地が迫る出口峡谷をいう。標高246m。地名の由来は,養老年間僧行基が遊化の際,洪水時の荒れ狂うさまをみて,開削の大業をなし,治水の効をあげた(鰍沢町誌)。この徳を慕い河霊として小柳(こやな)川のほとりに蹴裂明神を祀り,夏の禹王の治水に比肩するものとして禹ノ瀬(国志)・禹瀬(甲斐叢記)と呼んだことにちなむ。慶長12年京都の角倉了以が鰍沢から岩淵までの川丈18里(約72km)を通船させるときの河筋改修工事でも難儀した所。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7096162