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籠坂峠
【かごさかとうげ】


古くは加古坂と称した。南都留(みなみつる)郡山中湖村にある峠。国道138号が通る。富士山と丹沢山地を結ぶ稜線の鞍部。標高1,104m。北に下ると山中湖に至り,南に急坂を下ると静岡県小山町須走を経て御殿場に至る。郡内と東海地方を結ぶ重要な峠である。峠名は,峠を駕籠で越えたから,また火山灰の崩れやすい土質を籠に石を詰めて防いだからなどの説がある。律令期の官道甲斐路は駿河の横走駅(御殿場市)から当峠を越えて加古駅を通り,河口,水市を経て甲斐の国衙に至った。「国志」に「本州ヨリ駿州ヘ出ル国界ノ山路ナリ,山中ヨリ南峠ニ至ルマデ一里六町,峠ヨリ西南ニ下リ梨ノ木平ニ至リ南行シテ須走ニ出ヅ,峠ヨリ此ニ至リテ一里是レ富士ノ東方ニナビキシ峰ツゞキナリ」とある。鎌倉期には政治・文化の甲州への移入路であり,戦国期には武田・北条氏の軍事上の要地であった。現在,中央自動車道富士吉田線と東名高速道路を結ぶ東富士有料道路の建設を計画中である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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