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鎌田川
【かまだがわ】


中巨摩(なかこま)郡竜王町・昭和町などに釜無川から取水した用水などを集め笛吹川に合流する河川。流長13.2km。1級河川。水量は豊かで,緩やかな流れであるが,濁りがある。中巨摩郡玉穂町の東方で渋川・神明川を合わせて大鎌田川と名を改め中巨摩郡田富町今福新田南で笛吹川に注いでいる。甲府盆地の盆地床をなす釜無川沖積原は,かつて釜無川が自由に流路を変えて堆積したもので,釜無川の旧河道はいくつかある。鎌田川もその1つで,かつて釜無川の流路であった。昔は当河川は笛吹川と現地点より上流で合流していたが,享保16年,代官井沢弥三右衛門が工を起こして今の水路を開削した。そのため下流を今川とも呼んでいる。昭和町内の当河川はゲンジボタルの発生地で古くからホタルの名所として知られている。「国志」にも「蛍火多シ」「他方ノ蛍ニ比スレバ較々大ナリ,州人鎌田蛍ト称ス」と記している。6月初旬の羽化最盛期に夕刻8時頃から飛び交うさまは壮観で鎌田川の蛍合戦といわれた。ホタルの幼虫は日本住血吸虫(地方病の病原)の中間宿主ミヤイリガイを食べて生息する。近年そのミヤイリガイの撲滅が,薬剤散布やコンクリート溝渠化など,国や県の助成を受け徹底的に行われているのでホタルも減少し全滅に近い状態となった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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