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北精進ケ滝
【きたしょうじがたき】


北巨摩(きたこま)郡武川(むかわ)村に位置し,石空(いしうとろ)川にかかる著名な大瀑布。標高1,400m付近にある。その高さは,数段になって流下するため,121mとも180mとも,200m以上とも推定される。鳳凰山の山域中最大の瀑布で,県下でも最大級。遠方各地から望見される。付近を糸魚川静岡構造線が走り,その断崖をえぐって,閃雲花崗岩の岩面を落ちるので,美しく壮大な景観を呈する。燕頭(つばくろあたま)山を隔てて,対照的位置にある小武川支流ドンドコ沢の南精進ケ滝と区別するために北精進ケ滝と呼ばれるが,もともと精進ケ滝といえば当滝のことであった。鳳凰山信仰の1つの経路は,柳沢の雄山社を基点として,石空川をさかのぼるものであったが,行者の斎戒沐浴する行場の1つであったためにその名がついたことが「国志」に記載される。また,精進は障子で,大岩壁を表すいい方でもあった。行者は従来石空川を忠実に遡行したと想像されるが,今は,石空川右岸を林道が走り,滝見台から谷を下り,初見ノ滝・梯子滝を経て,当滝に至る。林道から約1時間半かかり,同ルートは比較的危険な路である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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