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儀丹の滝
【ぎたんのたき】


南巨摩(みなみこま)郡増穂町平林にある滝。落差30.3m。巨摩山地の櫛形山から甲府盆地に流下する利根川にかかる。滝名については同地で修行した儀丹上人の次のような伝えがある。舂米の集落に真言宗智山派の名刹,金剛山明王寺がある。同寺は宝亀元年儀丹行円上人の開基になるという。儀丹ははじめ伊豆に在住し,たまたま瑞雲光輝を発して天空になびくを見て,その淵源を求めて甲斐に入国し,この地に来て利根川の水に感ずるところあり,その水源を求めて平林村の西方1里余の地に至る。「増穂町誌」には,「怪巌突石重畳して滝あり,高さ十丈余,下には滝淵藍の如く,傍々霊窟あり,上人ここに修練苦行する事日久しくして不動明王の感応空しからず霊像出現す」とある。それで明王寺を建立して不動明王を本尊としたと寺伝にある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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