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九筋二領
【くすじにりょう】


旧国名:甲斐

(中世~近世)戦国期~江戸期の汎称。九筋は天正17~18年の伊奈忠次による検地のとき武田氏の本領地である国中(くになか)に設定されたと考えられる地域区分で,万力筋・栗原筋・大石和(おおいさわ)筋・小石和筋・中郡筋・北山筋・逸見筋・武川(むかわ)筋・西郡筋をいう。これに対し穴山氏本領の富士川両岸の地を河内領,小山田氏本領の都留(つる)郡を郡内領といい,合わせて二領と称する。九筋の各筋名は伊奈忠次から発給された寺社領証文や知行書立などに初見されることが多く,浅野氏領有時代の文禄年間までは各筋に筋奉行が置かれ,行政区画をなしていたが,江戸期には単なる地域称にすぎなくなった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7096777