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国中
【くになか】


中世~近代の汎称。山梨郡全域と八代(やつしろ)・巨摩(こま)両郡の大部分を占める甲府盆地一円を指す。古代以来甲斐国の政治・経済・文化の中心舞台となり,中世からは武田氏本領の地であって,小山田氏本領の郡内と穴山氏本領の河内に対して国中と呼ばれた。永正5年には「此極月五日国中ニテ合戦アリ」の記録が見える(妙法寺記)。天正17年の伊奈氏検地以来国中は万力筋・栗原筋・大石和(おおいさわ)筋・小石和筋・中郡筋・北山筋・逸見筋・武川(むかわ)筋・西郡筋と郡界によらない九筋に分けられ,浅野氏領有時代には各筋に筋奉行が置かれ,行政区画の性格をもっていたが,九筋は江戸期には単なる地域の名称にすぎなくなった。天正15年穴山氏の断絶後に河内を領した菅沼氏が同18年転封して以後は,都留(つる)郡を除く山梨・八代・巨摩3郡の全域が統一的支配となり,大小切租法・甲州金・甲州枡の3法が共通して適用された。また3郡は方言や習俗も大同小異で,郡内に対して国中という場合には,河内が含まれていることもある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7096787