蝙蝠穴
【こうもりあな】

南都留(みなみつる)郡足和田村西湖畔の青木ケ原にある溶岩洞。標高900m。形状は不規則で，比較的大きな支洞をもち，総延長350mに及ぶ。鍾乳石状の溶岩もよく保存され，洞底はほぼ平坦で，所によって縄状溶岩も発達している。他の洞穴と異なり夏でもあまり寒冷を覚えず，冬も温暖で結氷をみないため，多数のコウモリ群が冬眠の場所としていたが，今は少なくなった。また蚕種の貯蔵に利用されたこともあった。コウモリはアブラコウモリ・ウサギコウモリ・キクガシラコウモリ・コキクガシラコウモリで，洞穴とともに国天然記念物に指定されている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7096930