佐野峠
【さのとうげ】
天杉峠ともいう。天子山地の西部,南巨摩(みなみこま)郡南部町内船と同町佐野川流域の上佐野を結ぶ峠。町道内船上佐野線が通る。天子山地の主脈の西に派生する三石山(1,173m)―思親山(1,030.9m)―相之山に通じる稜線の標高845mに位置する。峠名は佐野に越える峠であることにちなむ。また,別称は,1本のスギの大木があったことにちなみ,その影が富士川対岸の柳島までのびており,切り倒してみると切株が畳八帖敷もあったという(南部町誌)。高温多雨の気候条件で林木の生育が良く,スギ・ヒノキの美林が目立つ。現在,町道佐野線の自動車道路の完成で,峠道はほとんど利用されない。近くに東海自然歩道がある。
| KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7097098 |