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利根川
【とねがわ】


巨摩(こま)山地の櫛形山(2,051.7m)の東斜面に源流をもつ。戸川の支流。流長約5.68km。1級河川。第三紀角礫凝灰岩を浸食して急な山地を流下し,儀丹の滝をなして久保平(南巨摩郡増穂町平林)に下る。平林の高位平坦面(700~800m)を流れて,その東の山地に渓谷をつくり,舂米(つきよね)に出て東流し坪川と合して釜無川に注いでいた。当河川は下流部において河床が人家よりも高く,国道52号(駿信往還)も河川の下を隧道によって通り抜けていた。そのため何回も堤防が決壊して洪水の被害が甚大であった。県は利根川整備計画をたて,昭和26年から改修工事を始め,同39年に完成した。渓口字河原の地点から流路を変更して新利根川をつくり,その水を南を当河川とほぼ並行して流下する戸川に流した。そしてかつての利根川の流路は廃河川となり,町を南北に遮断している堤防を撤去し,河床を掘削して周辺を平らにして交通の便を図った。その砂利は骨材として利用し,旧河川敷は都市公園としてバレーコート・テニスコート・緑地・花壇・児童公園・サイクリングロードなどを設置し,以前とまったく変わった景観を呈している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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