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西河内領
【にしかわうちりょう】


旧国名:甲斐

(中世~近世)戦国期~江戸期の広域地名。西川内とも書く。河内領のうち巨摩(こま)郡の地域をいう。甲府盆地から南へ細長く突き出した地で,富士川の西部に位置する。河内の地名の由来は,甲斐国内の諸河川が集中している地域であることにちなみ,東河内領に対する(国志)。初見は永禄4年9月21日の穴山信君感状である(佐野文書/清水市史資料中世)。文化初年の所属村名は,長知沢(ちようちざわ)・鳥屋(とや)・十谷(じつこく)・柳川・箱原・西島・手打沢・大塩・久成(くなり)・平須・矢細工・古長谷・中山・夜子沢・寺沢・切石・八日市場・伊沼・飯富・遅沢・江尻窪・福原・梨子・笹走・塩上・京ケ島・草塩・早川・大原野・新倉・湯島・奈良田・黒桂(つづら)・西之宮・保・雨畑・大島・薬袋(みない)・千須和・榑坪(くれつぼ)・初鹿島(はじかじま)・粟倉・下山・波木井(はきい)・大野・小田舟原・門野・大城・小縄高住赤沢・相又・横根・中・清子・光子沢・中野・本郷・成島・南部・塩沢・大和・楮根(かぞね)・福士・万沢の63か村で,石高9,163石余,戸数5,086・人口2万2,718,うち男1万1,467・女1万1,251(国志)。なお,西河内領のうち波木井村から南の20か村を西河内下領,下山村から北,長知沢村から南の43か村を西河内上領と称することもあり,西河内下領は慶安4年~寛文元年まで徳川綱吉の厨料,西河内上領は同じ期間徳川綱重の厨料とされていた。現在の南巨摩郡の鰍沢(かじかざわ)町・中富町・早川町・身延町・南部町の各一部および富沢町全域にあたる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7097952