100辞書・辞典一括検索

JLogos

14

野呂川
【のろかわ】


古くは能呂川と書き,木賊(とくさ)川ともいった(残簡風土記・国志)。左俣川と右俣川の合流地点,中巨摩(なかこま)郡芦安村両俣から南巨摩郡早川町の早川に注ぐまでの河川。仙丈山地からの大仙丈沢,小太郎山(2,725m)や中白根沢ノ頭などからの中白根沢や前白根沢を合わせながら北流して小太郎山を大きく迂回して,同山の北で,仙水(せんすい)峠(2,254m)からの北沢を合わせ,南流し,アサヨ岳・早川尾根からの三好沢や西広河原沢を合わせ,広河原で北岳東面の大樺(おおかんば)沢を合わせ南流する。さらに左岸へは鳳凰山地からのゴーロ沢・アカヌケ沢・白井(しれい)沢・立石沢・深沢,右岸へは中白峰(なかしらね)(3,055m)や間ノ岳東斜面の雪渓よりの荒川(北沢・池山沢・南沢・細沢・本谷・農鳥沢・アカヌケ沢を含む)と鷲ノ住(わしのす)山(鷲住山,1,534m)の西方で合流して早川となる。当河川流域は深山幽谷の地でカモシカが多く住むが,カモシカをノロといい,ノロの住む川が野呂川となったと思われる。白根山地と鳳凰山地の間を構造谷を形成して南下する。この野呂川入の地が白鳳渓谷。当河川沿いの砂防工事用道路は,両俣小屋手前約20分の地までのびている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7098018