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波木井川
【はきいがわ】


南巨摩(みなみこま)郡身延町を流れる河川。全長8.3km。県河川図では相又川を含めて波木井川としているが,一般には大城川と相又川の合流地点,相又下から富士川に注ぐまでをいう。当河川は国道52号沿いに北東流し,梅平の栄久橋下流左岸で,身延山(1,158m)と鷹取山(1,036m)からの身延川を合わせ,波木井西平先で富士川に注ぐ。大城川流域の古谷城(こやしろ)には安倍川流域に対する城塞,金山跡があり,付近は第三紀の安山岩質凝灰角礫岩や集塊質凝灰岩などの節理や南北の断層が発達し,温泉も湧く。梅平は河岸段丘(上段に波木井館跡がある)が発達し,下流部には広い氾濫原が開け,県立身延高校や県身延土木事務所・町役場がある。身延川は第三紀櫛形山層の安山岩・角礫凝灰岩・頁岩などの岩石節理,断層に沿って東流,身延山久遠寺近くで南流し,門前町西側を南流する。身延七谷の水を集めての流れは,100分の20から100分の30の急勾配であって土砂流出が目立ち,砂防工事が進む。山脚部には崖錐が発達し,頁岩層中には有孔虫の化石が含まれ,身延山の千本杉は身延川堆積物上にある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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