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白鳳渓谷
【はくほうけいこく】


中巨摩(なかこま)郡芦安村,野呂川沿いの渓谷。野呂川は鷲ノ住山の西,荒川との合流点までをいう。東は巨摩山地,北はそれに続く鳳凰三山から駒ケ岳と続く花崗岩の山地と,南アルプス北端の白根三山などの大山地の間の峡谷で,南アルプス国立公園に含まれる。野呂川流域は県下最大の森林と水資源の宝庫で,未開発地域であったが,昭和26年,早川流域総合開発計画を策定して,流域の森林・水力・観光の開発を図った。この際に野呂川右岸に電源開発道路が開かれ,開発が始まった。北岳のふもとの広河原が観光と開発の基地となった。昭和37年夜叉神峠にトンネルを通し,芦安から広河原まで野呂川林道が通じ,甲府から広河原まで季節バスが通じてから,急速に観光地化した。渓谷内は無住の地であり,奈良田と広河原が観光基地となっている。さらに広河原から北沢峠を越えて長野県長谷村に結ぶ南アルプス林道の計画が昭和42年決定され,さまざまな論争の後,昭和55年に完成,自然保護の条件のもとに芦安村と長谷村と双方から夏季の間定期バスが通じるようになった。昭和57年8月の台風と豪雨により大被害を受け,交通不能となり,本県側は広河原に至る道路も早急な修復は困難となった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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