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福士川
【ふくしがわ】


南巨摩(みなみこま)郡富沢町を流れる河川。全長10km。県の南部,身延山地の南部安倍山地の篠井(しのい)山(1,394.4m)や田代峠に源を発して東流し,上村地内で南又川・井戸沢川,石合地内では石合川,さらに下流では東根熊地内で陰沢・根熊沢,東市組内で有東川を合流する。富沢町富河の福士地内町屋で富士川の右岸に注ぎ,西根熊~東市組は糸魚川静岡構造線に沿っての流れがやや広い氾濫原をつくる。また,第三紀の角礫凝灰岩・砂岩・頁岩を浸食して,幼年期の台地地形もある。県南部の高温多雨地区を流れ,山腹はヒノキやスギの美林があって,当河川に沿って,県道の大向富沢線(徳間峠越え)・高瀬富沢線があり,木材搬出が至便,水量が豊富でヤマメやアユの釣場となる。篠井山の南麓には東京大学富士川地殻変動観測所があり,県天然記念物の金山神社のイチョウがあるほか最恩寺の仏殿は国重文。また,上流上徳間は福士川渓谷景観保存地区,西市森の暖帯林,石合のカタヒバ,観智院の孟宗竹林などの県自然記念物がある。川名は福士を流れることによる。流域を東海自然歩道が通る。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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