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饅頭峠
【まんじゅうとうげ】


茅ケ岳南麓を東西に通じる旧御岳参道の途中にある峠。中巨摩(なかこま)郡敷島町大明神の茅ケ岳登山道の分岐点から西へ500mの地。韮崎(にらさき)市・北巨摩郡明野(あけの)村の3自治体にまたがる。峠道に沿って多くの観音像がたてられている。伝説によれば弘法大師が茶店の老婆に饅頭を所望したところ,拒んだので,饅頭はすべて石と化したといわれる。饅頭石というのは茅ケ岳噴火の際の所産で,火口内の凝灰岩,安山岩の礫を中心核として,岩漿中の輝石,角閃石および磁鉄鉱などが付着して被覆し,さらに岩漿中のナトリウム・カリウム・カルシウムなどが付着している(角礫中心部説)。その他成因には各説があるが,県における自然記念物として,昔から格別の注意が払われてきた。ホッチ峠などにも同石があるが,当峠の東部近くに昭和56年深田久弥記念公園が設けられてから観光客の多く訪れるところとなり保護が心配される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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