柳沢峠
【やなぎさわとうげ】
塩山市にある峠。鈴庫山から大菩薩山塊へと続く稜線上の鞍部。標高1,472m。国道411号が通じる。当峠の北斜面も丹波(たば)川流域と同じく東京都水源涵養林で,秩父多摩国立公園地内に属する。峠道には風化した花崗閃緑岩(通称スナイワ)と,これを貫く角閃石安山岩の岩脈の露出がみられる。当峠から西に入ると標高1,650mの三窪高原があり,レンゲツツジが群生し観光地となっている。青梅街道はかつては大菩薩峠を越えたが,難関であったので明治11年,藤村県令が新道計画を立て柳沢峠越えが開通した。昭和30年代に本格的な改修が行われ,昭和57年4月県道甲府青梅線から国道411号に昇格した。古くは当峠は黒川山から産出する金の輸送路であった。
| KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7098640 |