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阿智川
【あちがわ】


木曽山脈南部の摺古木(すりこぎ)山南腹から流出する1級河川。飯田市と下伊那郡清内路(せいないじ)村の境より天竜川合流点までの1級河川指定区間の流長22.668km,源流よりは約30km。地元では摺古木山より流出する河川を黒川と呼び,これが清内路峠より流出する清内路川と合流し,下流の同郡阿智村の昼神で恵那山より流出する本谷川との合流点から天竜川合流点までを阿智川と呼んでいる。主な支流は清内路川・本谷川・大沢川など。これらの河川の渓谷は,古代から木曽山脈横断や南方の東海地方への道として利用された。古代の東山道は本谷川支流の園原川に沿い神坂峠へ,木曽谷南部へは清内路川をさかのぼり,三河地方への三州街道は大沢川に沿い寒原(さむはら)峠へと通じていた。ことに阿智村駒場から神坂峠にかけての本谷川と園原川沿いには東山道に関する史跡が多い。川は昼神・駒場付近で緩やかになるが,同郡下条村に入ると深い浸食谷を形成する。昼神・駒場・三穂・阿智川の4発電所がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7098983