100辞書・辞典一括検索

JLogos

11

阿寺渓谷
【あでらけいこく】


木曽郡大桑村を流れる阿寺川の渓谷。岐阜県境にある井出ノ小路山腹から流出し,阿寺山の南麓を流れる阿寺川の下流部は花崗岩地帯を深く浸食し,両岸には絶壁が連続する峡谷をなし,木曽川に注ぐ合流点まで16~18km続く。渓谷一帯は木曽郡上松(あげまつ)町と同郡王滝村から続く木曽檜の国有林地。春のツツジや秋の紅葉が檜の濃緑色と交じり合う様はみごとである。木曽川水系の渓谷中では,この渓谷が最初に森林鉄道が敷かれた。現在は川沿いの道を使用して河口近くの野尻貯木場へトラックで搬送している。渓谷を流れる阿寺川の水は清流そのもので,随所に深淵があり,木曽川との合流点より7kmあたりにキャンプ場もあり,車で行ける。春・夏・秋は渓谷の森林美と清流が美しく,ヤマメ・イワナなどの川魚が生息し,自然に恵まれている。合流点の木曽川はダム湖をなし,湖岸には保養センターもあるが,知名度が低いため中京方面からの行楽客は少ない。渓谷一帯の5,400haに及ぶ檜林は伊勢神宮の造営材となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7098994