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鹿島川
【かしまがわ】


大町市を流れる1級河川。流長は18.7km。後立山連峰の鹿島槍ケ岳東腹より流出し,大町市街地西方で高瀬川に合流する。上流は鹿島槍ケ岳の急峻な東斜面を流下する大冷沢(おおつめたざわ)川・小冷沢川・大合沢(だいごうざわ)川などの1級河川に分かれる。これら小河川が合流してからは,鹿島川は西側の後立山連峰と東側の天狗山・小熊山の山地に挟まれ,北から南へとほぼ直線状に流れて高瀬川に合流する。中流までは谷は狭いが,下流一帯はひらけて一大扇状地を展開し,高瀬川の流路にも影響している。河床は上流からの砂礫の搬出が著しく,花崗岩の大小の礫が堆積し乱流の様相を呈している。中流は東西の山地・山脈に挟まれた500~800mほどの狭長な谷底平地をなし,ここに中流部唯一の鹿島集落がある。周辺は鹿島川が堆積した砂礫層地のため,耕地化は進んでいない。谷底部上流より東へは鹿島槍高原へ車道が通じ,鹿島国際スキー場がある。扇状地中央部には,高瀬川渓谷の葛温泉より引湯した大町温泉郷が形成され,立山黒部アルペンルートヘの行楽客でにぎわう。鹿島川上流部からは,この渓谷の東方にある仁科三湖の一つ青木湖へ引水され,湖水の水量を調節している。鹿島川渓谷は自然景観が残されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7099949