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木曽
【きそ】


旧国名:□美濃,□信濃,美濃,信濃,信濃

古代~現在の広域地名。木曽川の源流域および奈良井川流域に位置し,東は伊那郡,北は筑摩郡,西南は美濃国(岐阜県)恵那郡,西北は飛騨国(岐阜県)大野・益田両郡に接する。はじめ美濃国,のち信濃国に属す。ほぼ現在の木曽郡に該当し,時代により郡と同格の扱いをうけてきたが,木曽郡が正式に成立したのは昭和43年のことである。地名の由来について「地名辞書」は,「木曽の名義は木麻にて,麻を古語曽と云へる例多し,今も麻を曽と云ふ方俗あり。此曽は元来麻草なれど,木曽と云へばシナノキ(菩提樹)の樹皮より造りたる糸,并に織布を指せる如し。即木曽は信濃(しなぬの)と同じく,樹皮に採りたる織糸に起因せる名歟」としている。
(古代)初見は「続日本紀」大宝2年12月壬寅条で,「始開美濃国岐蘇山道」と見える。
(中世)「平家物語」に「信濃国に,木曽冠者義仲と云ふ源氏有り」,「吾妻鏡」治承4年9月7日条に「源氏木曽冠者義仲者……遁于信濃国木曽」と見え,鎌倉期には木曽が信濃の地として意識されていたことが知られる。
(近世)慶長5年関ケ原合戦後,石川光吉は西軍に属したため木曽を追われ,木曽は徳川氏の直轄地となった。
(近代)近代になって明治4年名古屋県・伊那県・筑摩県を経て同9年長野県に所属。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7100319