100辞書・辞典一括検索

JLogos

18

鎖川
【くさりがわ】


県中央部を流れる1級河川。流長17.31km。松本盆地と木曽谷の分水嶺をなす鉢盛山と烏帽子岳より流出し,松本市街地の南西部で奈良井川に合流する。舟沢川・三間沢川などを合流する。盆地へ流出してからは,小規模ではあるが典型的な扇状地を形成する。東筑摩郡朝日村・山形村の集落はこの扇状地の扇頂部か扇側の山麓に立地し,扇状地中央部は乏水のため江戸後期までは原野であった。江戸後期以後鎖川の水を利用して原野の開墾が行われ,上流から原新田・下新田・野口新田・古池新田などの新田集落が成立した。しかし,上流部の朝日村域は高遠藩領で,下流部の旧今井村分が幕府領であったため,流量が少ない川水の利用は下流部が優先し,朝日村内の住民と下流部の住民の間に水争いが絶えなかった。扇状地上は原野や旱魃にも強い桑畑であったが,梓川に東京電力のダムが築造され,この水を用水に幹線用水路が山形・朝日を通るようになったため,昭和40年代からは扇状地上は夏野菜栽培地に変わった。下流は天井川をなし,洪水時には氾濫することもある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7100497