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山清路
【さんせいじ】


東筑摩郡生坂村,犀川と麻績(おみ)川の合流点の上流約1kmにある峡谷。聖山高原県立公園の一部。北を金戸山,南を雲根山に挟まれ,麻績累層が犀川に浸食され,両岸は最大60mの断崖をなす。山清路の名は山清寺という寺があったことからとも,犀川・麻績川・金熊川の3水路の合流点から生じたともいわれる。また松本平が湖であった頃,泉小太郎が母犀竜の背に乗って当地を破って排水し,松本平を造ったという伝説がある。古くから名勝として知られ,かつては犀川舟運の難所でもあった。両岸の山腹には奇岩が連なり,春は断崖に咲くヤマツツジ・ヤマブキ・フジの花,夏は山の緑,秋は紅葉,冬は雪景と四季それぞれの味わいある風景を展開する。国道19号が整備され,昭和33年には下流約1kmに平ダムが建設され,河床の猿とび岩などの奇岩,水神釜,竜神の岩穴など上流6kmにわたって峡谷は水没し,長く曲りくねった人造湖となり,峡谷の景観は失われ,山の湖として新しい観光地に生まれ変わった。この地域は日本海斜面の植物の分布限界をなすものが多いことでも知られている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7100983