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田立ノ滝
【ただちのたき】


木曽郡南木曽(なぎそ)町,木曽川支流の坪川(大滝川)上流部に懸かる滝。JR中央本線田立駅より車で約30分,さらに徒歩で約2時間の所にある。滝は螺旋滝・洗心滝・霧ケ滝・天河滝・不動滝・鶴翼滝・箱淵・丸淵などの大小の滝が連続している。なかでも中央部にある最大の滝は天河滝と呼ばれ,標高約1,200mの高所にあって,花崗岩の急斜面を約96m落下する。幅は約13m。滝の最下部にある大野池付近にはキャンプ地もあり,春から秋にかけてはハイカーが多い。多少危険であるが,専用林道を利用すると,滝の上方まで車で行ける。現在中央アルプス県立公園地域に指定されている。織田信長が伊勢神宮造営用のヒノキを伐採したといわれ,また伝説では享保9年尾張藩が大量に伐採したところ大雨が降ったので,地元では山霊のたたりと恐れ滝へ登らなくなった。のち旱魃の年に相談して天河滝に雨乞に登ったので雨乞ノ滝ともいわれる。明治中期頃より滝の周辺の開発運動が進められ,昭和2年日本百景に選ばれた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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