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土尻川
【どじりがわ】


県北西部を流れる1級河川。流長28.403km。北安曇(きたあずみ)郡美麻(みあさ)村の青具峠から流下し,同村の青具で流路を東方に変え,上水内(かみみのち)郡中条村の下長井で犀川に注ぐ。途中美麻村で片岡沢川と藤沢川,上水内郡小川村で小川・瀬戸川・薬師沢川,中条村で梅木川を合流する。上流部の青具付近は勾配が緩やかなため小規模な沖積平地を構成しているが,小川村境辺りから河床は急になり深い浸食谷をなし,川沿いに平地はほとんどない。川岸には河岸段丘を形成し,この段丘面上を長野市と大町市を結ぶ県道長野大町線が通り,土尻川渓谷の中心集落である高府と中条などが立地する。川床は最下位の段丘面より一段低く,かなり曲流し,両岸の丘陵の最上位は準平原をなす。これらのことから,土尻川沿岸一帯は隆起地形であることがわかる。両岸の段丘面を有する斜面一帯は基盤が第三紀の裾花凝灰岩で,その上にローム層がのっている。このローム層の部分で地滑りが多く,地滑り地形も各所に見られる。河水は,降雨時には斜面から土砂が流れ込んで濁水になり,犀川の清流とは対照的である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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