100辞書・辞典一括検索

JLogos

46

相川
【あいかわ】


藍川とも書いた(新撰美濃志)。県南西部を東に流れる川。不破郡関ケ原町の北部相川谷に源を発して関ケ原盆地を東流し,池田・南宮両山塊の水を集めて扇状地を形成しつつ,南宮山塊沿いに南東流し,下流で大谷川や泥川を合わせて杭瀬(くいぜ)川に注ぐ。河川延長約18km。同郡垂井(たるい)町までは洪積層から成る扇状地を浸食して河岸段丘を形成している。池田山塊から南流する梅谷川や大滝川などの支流に直線的流路が至る所に見られるのは,条里制施行による人為的な流路と思われる。扇状地の砂礫の多い洪積層を流れる相川の本支流は,水の浸透が多く,河水が少ない上に河床の低いこともあって,地下水利用のマンボ(地下水を集めて導水する暗渠で一種の横井戸,垂井町の台帳には111本が載せてある)で水田を灌漑しているところが多い。高さ5mほどの段丘をつくって流れた川は垂井町に入ると堆積作用が進み,次第に天井川となって荒れ川の様相を帯びる。扇端部の垂井町表佐(おさ)付近に「清泉選出雖盛夏極冷不涸」(濃陽志略)とあるように湧水帯があり,そのあたりから水量を増す。水害防止のため垂井には二重の堤防が築かれ今も残っているし,表佐地区で南へ曲がるため左岸が破堤し,よく大垣市十六(じゆうろく)町と対立した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7104118