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荒城川
【あらきがわ】


別名を蕪(かぶら)川ともいう。県北東部を西に流れる川。大野郡丹生川(にうかわ)村折敷地(おしきじ)地内の通称折敷地山に源を発し,輝(てらし)山から西に延びる山嶺を隔てて小八賀(こはちが)川と並行して西流し,吉城(よしき)郡古川町市街地で宮川に合流する。延長32km(河川法区域延長約24km)。小八賀川との分水嶺に近いため,左岸より流入する支流はなく,五味原川・呂瀬川・漆谷川・宮谷川・十三墓岐(じゆうさんぼき)川・桐谷川などの支流が,上宝(かみたから)村境の山地から流入する。丹生川村の流域は奥組五か村(大沼・柏原・三之瀬・森部・折敷地)と称された山村で,「耕作の余暇には村々処々の山々に炭竈を築き,炭を焼き高山市坊へ売って余業」(後風土記)としたところであり,折敷地・木地屋の地名もあって,木地師の稼業が見られた木材の生産地でもあった。天正年間茂住宗貞が佐渡より人を集めて,金を採掘した呂瀬川上流域も,盛時の名残を宗貞平などの地名に残している。また国府町に入ると河岸に沖積平野も開けて,早くから開拓が進んでいた。上代に荒城川より水を引き,荒城郷の田地を開いたが,最初に用水を取り入れた所に荒城神社を祀ったという(後風土記)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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